ぶどう作り、ワイン造り

まだ自分で醸造をしているわけではありませんが、どのようなブドウ栽培・ワイン造りを考えているかを書いてみたいと思います。

まずは学ぶこと。

自然が、ワインの果実感が、と語る前に自分の引出を増やし、多少応用できるぐらいにはしたいところ。有機栽培とか亜硫酸無添加などと書くことは簡単ですが、まずはそれがどんな効果があって、どんな危険性があるのか。

例えばですが、お酒のラベルに「ゆっくり発酵させました」と書かれていると、さも時間をかけて大事に丁寧に仕込んだというように感じてしまいます。

しかし一歩引いてみると、そもそもゆっくりは美味しいのか?何の成分がどう変化して美味しくなるのか。リスクは?じゃあ早くしたら何が悪くなるのか。もしくは何らかの対策をして低速に発酵させるのか。そういった判断にはやっぱり経験だったり知恵が必要です。

頭でっかちかもしれませんが、必要なければ引出をつかわなければいいだけのこと。学び、新しい知識や価値観を得ていく努力を怠らないようにしたいと思います。

畑、果物、Wine

果物が好きです。

よくよく考えると、果物は人間にとっては必ずしも必要のないものです。ワインしかり。

しかし、だからこそかもしれません。畑からとれた果物の、酸味の入り混じった強い甘さには「収穫の嬉しさ」といったらいいでしょうか、そんなエネルギーみたいなモノを感じます。果物は調理せずとも畑で食べてウマい、というのもあるのかもしれません。ごぼうやネギなどとは違う、華やかな美味しさがあると思うのです。

なので、その嬉しさエネルギーはそのままお届けできるようにしたいと思います。

ワインを醸造するにあたっては、果物が本来持っているエネルギーをねじ曲げることなく、良さを引き出す手伝いに注力します。もちろん自然のままに任せて全く放置するわけではなく、必要なときには必要な分だけ手を加えます。

収量制限?無肥料?
亜硫酸無添加にする?
ワインはパワフル?エレガント?

そういったことは決めていません。

自分はまだ、ピアノで言えば楽譜上の音とピアノの音色を確認している最中で、それをどんな音にするかというのはまずは鍵盤を押してから試行錯誤していくのが良いと考えています。

一旦の方向性として肥料は必要な分だけやる、収穫遅くして熟度を高めに、などといったことは考えていますが、まだワインはおろか、そもそも畑にはブドウの実さえなっていません。眼の前に材料が無いのに、自分の好みや観念だけで「こうなるべきだ」と決めるのだとしたら、それは造り手の身勝手でしょう。

なので、ブドウと話して決めていきたいと思います。

無理が通るものではありませんし、味覚の好みも変わっていくでしょう。それに僕は優柔不断なので、いろいろ迷うかもしれません。1つの形に満足せず、いろいろ試しながら「うまい」の方向を見つけていくつもりです。お付き合いください。

ものづくり

1つお話しするとすると、僕はハレのワインをつくりたいと考えています。ハレ(非日常)とケ(日常)のハレです。

小学校低学年のころ、午前中にクッキーのたねを仕込んでおいて、午後から友達と一緒にクッキーの型で成形し、焼いて食べる、というのが定番の遊びの1つでした。しばらくするとクッキー焼きはしなくなりましたが、それが高じて、ケーキを焼くようになりました。実家が果樹農家で、身近に材料が豊富にあったのも良かったのでしょう。中学生のときには週に3つとか平気で焼いていたこともあったっけ。

大人になっても定期的にケーキは焼いていましたが、自分で食べるために焼くのではなく、どちらかというとお祝いとか差し入れなどで持っていく機会が多くなりました。

もちろん売り物のような立派なものではなく、たいていは単純なケーキでしたが、それでも持っていくとずいぶん喜んでくれて、あとあとまで「あのケーキ美味しかったですよね!」と言ってくれる方もいました。

ケーキ自体、ちょっと、こう、なんというかスペシャルな感じがありますよね。お父さんがお土産でケーキを持ってきてくれると、夕ご飯の後の時間がありきたりから少し華やかになるというか。

いってみれば、ケがハレになるわけです。

作ったもので誰かの時間がハレなり、それはもしかしたらハッピーな体験かもしれませんし、いつもの日常にちょっとしたアクセントを加えるものかもしれません。

そんな”ものづくり”ができたらと考えています。

(2019年3月記)