※シリーズの説明は「銘柄について」を参照のこと。
2022年はこの数年では比較的遅めの春から始まり、前年に続いて暑い年になりました。といってもほどほどの雨は降り、平均的な気温が全般に高かったという印象です。
収穫期も悪い天気ではなかったものの、あるところで糖度の伸び、というか成熟がビタッと止まってしまいました。酸が高めだったのでブドウが痛むような事はありませんでしたが、ちょっと不思議な熟し方をした年でした。
酸も残り、糖度もほどほどのところまで上がり、最終的には北国らしく熟したブドウになったのかなと思います。
2022 早花咲月ロゼ
スパークリングロゼ。赤い果実感が特徴の軽めの飲み物です。
ブドウ栽培: 余市町3箇所より
ブドウ品種: ナイアガラ+キャンベル・アーリー15%ほど
アルコール: 8.5%/発泡性
醸造本数: 約4,900本
リリース: 2023年3月
お取扱い上の注意: よく冷やしてから抜栓してください。

ブドウは余市町内の大倉さん、木内さん、大島さんより。ナイアガラは9月末と10月中過ぎの2期に分けての収穫。前の2ビンテージよりもシャープな酸が残りました。
スキンコンタクトは控えめにして、フレッシュ感を出すようにタンクを低温気味に保ちながら樹脂製タンクで発酵。澱引き、ブレンドを経て11月に瓶詰め。瓶内2次発酵で泡を付け、年明けの2月にデゴルジュマン(オリ抜き)。
4,900本のオリ抜きはなかなか大変でしたが、その作業のおかげでしっかりクリアになってくれました。アセロラの赤い果実感が主体となり、キュッとする酸の口当たりとともに細かい泡が上がってきます。
※瓶底に少し酒石が出てしまったロットがあります。冷やした上での抜栓をお願いします。
2022ビンテージからは白は無しにしてロゼのみを作ることにしました。
2022 Cam-Blanc
赤ブドウのキャンベル・アーリーから作った白仕込みのスパークリング。少し色が出てロゼっぽくなりました。
ブドウ栽培: Sunny Side Farm(余市町登町小登地区)
ブドウ品種: キャンベル・アーリー
アルコール: 10%/発泡性
醸造本数: 約500本
リリース: 2022年度ふるさと納税+不定期に販売?(未定)
お取扱い上の注意: よく冷やしてから抜栓してください。

黒ブドウのキャンベルを白仕込みにしたスパークリングワインです。このアイデアはドメーヌユイさんからいただきました。
原料は余市町登町小登地区、Sunny Side Farm 大倉奈々さんの処から仕入れました。平飼い養鶏の農家さんから分けてもらった鶏糞をシーズン中2回散布、萌芽前に石灰硫黄合剤を一回散布しています。
マセラシオンカルボニックで1週間から10日、低温状態で潰さないように樹脂タンクで静置。二日に分けて垂直式バスケットプレスでゆっくり搾りました。果皮が厚く粒が大きいので、プレスにはかなり苦戦しました。
樹脂タンクで発酵させ、オリ引き、ブレンドの後、11月上旬に瓶詰め。瓶内二次発酵で泡をつけ、ふるさと納税の出荷分のみ2月にデゴルジュマン(オリ抜き)を実施しました。残り半分は退色と旨味の抽出を狙って試験的にデゴルジュマンなしにしています。
醸し期間を経たため、ロゼに近い色合いです。赤ふさすぐりやザクロのような果実感、しっかりめの酸、穏やかな泡があります。少し暑くなってからの食前酒、風呂上がりの一杯、オイル系のさっぱり目のパスタと一緒にどうぞ。